ここは、千三百年ほど前の日本。


都では、中大兄皇子&中臣鎌足コンビが、せっせと大化改新を行っている真っ最中。

しかし慌ただしい世間を無視して、付近にある葛木山系の奥に、こもっている人間と鬼神がいるようです。

遠くに何やら、建物らしきものが一件だけポツンと見えるのですが……

ちょうど今、少し窓が開いて、中から二人の会話が聞こえてきました。




「前鬼……いい季節になったな。修行というより行楽日和だ。今日は少し遠出してみないか?」

「………………………」

「………?前鬼?……………こら!いつまで寝てるんだ?!護法鬼神のくせに!!」

「でっ……!!…お…小角?!………ま……また叩きやがったな?!この野郎ッ」

「おまえこそ……ご主人様に向かってこの野郎はないだろう!?」

「誰が主人だ?!誰が!!だいたい、てめぇ、人間のくせに、いちいち鬼神様を殴るんじゃねー!!」







どうやらケンカしているようです。……近くに、行 ってみますか?