今度は

オレが、

一生分、泣いた。

辛くて、
悲しくて、
苦しくて。

胸が、痛い。

泣いても泣いても痛いままだ。
胸が張り裂けるって、こういうの言うんだな
って、
おもい知った。
でも前は、お前が同じ想いしたのかと思って、
必死に耐えた。

ごめん、

って…

最期におもった互いの言葉は…

同じだった…。

ゴメンじゃ済まねえよこんなの…

ってオレは…
思ったけど…




桜が、

風に吹き煽られて、
真っ白い曇天の下、
まるで吹雪みてえに降り積もる日に、

オレは…
殉を、都内郊外にある、
樹木の下の自然共同墓地に、埋葬した。

大樹の下に、皆で埋まってるって…
おまえ、喜びそうだよな。
だってそうしてくれって…
前おまえ…言ってたし…

そう、思いながら。

だけど…

オレは…


多分て何だよ、
すぐっていつだ、
いったいいつまで
オレだけ生きてんだ

って
本気で呪った。

ほんとうに、

いつまでこんな気持ちが続くのかと思った。
苦しさだけが、
まるで時が止まった無限みてえに
長かった。

いつまでも、
いつまでも…

この世界で、もう…

まっぷたつに裂けちまって

壊れた心が、

全然ふさがんなくて…

時間とともに、いっそう
痛みも
壊れた部分も
大きく広がってくばっかりで…

半分になっちまったオレの…
もう半分は…
お前が…
持って逝っちまったんだな…

…殉…

おまえの半分は…
オレに遺してってくれなかったのかよ…
お前がみんな持って逝っちまったのかよ…

何でなんだよ…殉…
オレ…お前の、半分の半分の半分でいいから…
遺してって欲しかった…

なんも遺って無えから…

引き千切られた胸の傷が、
広がってくばっかで…


埋まらねえ…


ちっとも…




傷口から流れる涙みてえな血すら…


止まらねえよ…



いつまでも…
いつまでも…



なぁ殉、オレたち…ホントに来世でなんて、
また逢えんのか?

そんなの、ただの…妄想みてえな願望の寝言じゃねえか。
だってそんな確証、どこにも無えじゃねえか…

無ぇまま、お前だけ、勝手にあの世に、逝っちまったじゃねえか…
何もオレに遺さずに…


って…


毎晩、独りのベッドで、
お前がいなくなった部屋で…

何度も何度も、そう思って、

泣いて

最後はもう、独りの部屋にも戻れずに。
思い出すのが辛すぎて。

それでも、
お前の、瞳、声、仕草、髪、唇…言葉…

なんでもかんでも想い出して…

やっぱり


また

泣いた





◇to be continued◇